三叉神経痛の基礎知識

dr_matsuda
千葉中央メディカルセンター 脳神経内科 部長
松田 信二先生

三叉神経痛の診断

専門家の立場で言いますと三叉神経痛の診断は比較的容易です。三叉神経の支配領域、つまり、おでこ(三叉神経第一枝)、ほっぺた(第二枝)、あご(第三枝)、あるいは口の中(上あごは第二枝、舌の一部や下あごは第三枝)に、特徴的な神経痛の症状があれば、原因が何であれ三叉神経痛と診断できます。


三叉神経痛の始まりは、ほっぺた(第二枝領域)やあご(第三枝領域)の部分であることが多く、最初からおでこ(第一枝領域)が痛むことは稀ですが、何年も経過するうちに顔面全体に痛みが生じるようになることもあります。最初のあいだは典型的な神経痛の症状であった患者さんが、何年も経過するうちに神経痛の痛み以外にうずくような持続的な痛みが加わっている状態も見かけます。

痛みを抑えるために末梢神経ブロックを受けている方もいらっしゃいますが、このような方では痛みの状況が変化して持続的な鈍痛が加わっていることや、顔のしびれを伴っていることがあります。長期に経過した症例では痛みが全くない時期があることもしばしばみられます。
いずれにしても三叉神経の領域、つまり顔面に典型的な神経痛の症状が確認できれば、三叉神経痛と診断することになりますので、診療にあたっては痛みの状況を詳細に確認させて頂く必要があります。
痛み以外に症状がないかどうかを確認する為に、感覚の状態を調べることも必要です.具体的には筆やティッシュペーパーで軽く触った感じ(触覚)、安全ピンで軽くつついた感じ(痛覚)を調べたりします。

典型的三叉神経痛と持続性顔面痛を伴う典型的三叉神経痛

痛みの状況から典型的三叉神経痛持続性顔面痛を伴う典型的三叉神経痛に分類することがあります。神経痛の痛み以外に症状がない場合を「典型的三叉神経痛」、神経痛の痛みははっきりしているものの、それ以外に持続的な痛みがある場合を「持続性顔面痛を伴う典型的三叉神経痛」と区別します。

持続性顔面痛を伴う典型的三叉神経痛の場合は、原因になる病気が潜んでいる可能性が高くなります。このような場合は元々の病気を治療しないと症状も良くならないため、検査が重要になります。
脳腫瘍、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)、脳血管奇形と言った病気が代表的なものですので、頭部のMRI検査は必須と考えて頂いて結構です。

三叉神経周囲の状況を細かく確認する必要があることから、やや特殊な撮影方法が必要ですので、三叉神経痛の専門家である脳神経外科や神経内科(脳神経内科)、ペインクリニックで相談して頂くことが大切です。この他に副鼻腔炎でほっぺた(三叉神経第二枝領域)に限局した比較的典型的な神経痛が生じることもあります。
このように、痛みの状況の詳しい問診、顔面感覚の状態を調べる診察、原因となる病気を確認するための詳しいMRI検査の結果をみて、総合的に診断することになります。

以下に「国際頭痛分類第3版β版」に記載された分類を参考として示します。

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