三叉神経痛の基礎知識

dr_higuchi
千葉大学 脳神経外科 准教授
樋口 佳則先生

最初の治療はカルバマゼピンで

三叉神経痛に対する最初の治療は薬物療法です。カルバマゼピンという薬が非常によく効きます。この薬は、もともとは抗けいれん剤として使われてきた薬剤で、現在でも抗けいれん剤として使われています。カルバマゼピンは、神経に存在するナトリウムチャネル(細胞膜にあるナトリウムイオンの通り道)を遮断することにより、神経の異常な興奮を抑制することで痛みを改善します。通常の消炎鎮痛剤は、シクロオキシゲナーゼの合成・活性を抑制し、痛み物質であるプロスタグランジンの産生を抑制するため、カルバマゼピンとは機序が異なります。通常の消炎鎮痛剤では痛みが取れず、カルバマゼピンでよくなった場合には、三叉神経痛の可能性が高くなります。

通常は、少量からはじめ、痛みが治まるまで増量していきます。通常の薬と同様に食後に飲むことが多いです。しかし、食事や歯磨きなど日常生活に伴い痛みが生じることが多いため、通常の薬と違い食前に服用することもあります。

カルバマゼピンによる副作用

①眠気・ふらつき

眠気、ふらつきが生じることがあり、服薬量は少量から始めます。量が多くなると眠気やふらつきの副作用も現れやすくなります。また、他のお薬を飲んでいる方は、カルバマゼピンの代謝産物の血中濃度が変化して、副作用が現れやすくなることがあります。

②薬疹

薬疹は、皮膚に発疹が現れる薬のアレルギーの一種です。薬を飲み始めてすくに現れることは稀で、2〜3週間ほどして皮膚に赤く発疹が出てきます。このような場合には、すぐに薬の服用を中止して、主治医と相談して下さい。

その他の薬物治療

カルバマゼピンによる治療で副作用がでてしまい充分な治療ができない場合には、他の薬剤を検討する必要があります。
その他の抗てんかん薬(ガバペンチン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、ラモトリギンなど)も使われることがあります。神経障害性疼痛の薬であるプレガバリンも使われるときがあります。(いずれも、三叉神経痛に対しては保険適用ではない薬です)

薬物療法による痛みのコントロールが困難となった場合

薬物治療を継続していると効果が減弱して服薬量を増量したり、副作用により服薬の継続が困難になる場合があります。その場合には、微小血管減圧術、ガンマナイフ治療、神経ブロックなどの他の治療法を考慮する必要があります。

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